日本の介護施設の種類:それぞれの特徴と選び方ガイド
日本にはさまざまな介護施設がありますが、どの施設が最適なのか迷うことが多いですね。この記事では、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、グループホームについて詳しく解説し、比較表を使って違いを明確にします。少しでも参考になれば幸いです。
介護施設の種類と比較:最適な施設選びを徹底解説
日本の介護施設選びは、サービス内容、費用、対象者などさまざまな観点から検討する必要があります。ここでは、主要な介護施設の特徴やメリット・デメリットを比較し、選ぶ際のポイントも詳しく説明します。
主な介護施設の種類
まずは、日本で代表的な4種類の介護施設を簡単に紹介します。
- 特別養護老人ホーム(特養)
長期間にわたる介護が必要な高齢者を対象にした、介護保険が適用される公的施設。 - 介護老人保健施設(老健)
医療とリハビリを重視し、自宅復帰を目指す短期滞在型の施設。 - 有料老人ホーム
民間企業が運営する施設で、サービス内容や料金に幅がある。 - グループホーム
認知症高齢者向けの少人数制施設。家庭的な雰囲気でケアを行う。
これらの施設は、提供されるケアの内容、費用、利用期間などが異なるため、選び方を間違えないようしっかりと確認しましょう。
比較表:主要な介護施設の違い
「老人ホーム」といってもたくさん種類があって迷っちゃいますね。
自分にあった施設はどうやって決めたらいいんでしょう?
種類が多くて迷ってしまうよね。ここでは簡単にどんな違いがあるのか見てみよう。
以下の表で、4種類の介護施設を比較してみましょう。
施設名 | 提供サービス | 対象者 | 自立 | 要支援1~2 | 要介護1~2 | 要介護3~5 | 認知症 | 費用目安(月額) | 特徴 | 主なメリット | 主なデメリット |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
特別養護老人ホーム(特養) | 24時間介護サービス、生活支援 | 長期間介護が必要な高齢者 | 10万円~15万円(介護保険適用) | 終の棲家として人気、比較的安価 | 費用が安く、長期入所が可能 | 入所待ちが長く、すぐに利用できない場合が多い | |||||
介護老人保健施設(老健) | リハビリ、医療ケア、日常生活支援 | 退院後の自宅復帰を目指す要介護者 | 8万円~15万円(介護保険適用) | リハビリに特化、短期的な利用が可能(数か月) | 医療ケアとリハビリが充実している | 長期入所ができない | |||||
有料老人ホーム | 介護付き・住宅型など多様なサービス | 介護が必要な高齢者、自立した生活を希望する人 | 15~30万円以上(サービスによる) | 民間運営、多様な選択肢がある、超高級ホームもある | サービスが充実しており、選択肢が多い | 費用が高額になりやすい | |||||
グループホーム | 認知症ケア、少人数制の共同生活 | 要支援2以上で認知症と診断された高齢者 | 8.5万円~14万円(介護保険適用) | 家庭的な環境、認知症ケアに特化 | 認知症ケアに特化し、家庭的な雰囲気 | 定員が少なく、入所が難しい場合が多い |
各介護施設の詳細解説
次に、各施設について詳しく見ていきましょう。それぞれの施設がどのようなサービスを提供し、どのような人に向いているのかを掘り下げて説明します。
1. 特別養護老人ホーム(特養)
特徴
特別養護老人ホーム(特養)は、常時介護が必要な高齢者向けの介護施設です。介護保険によって低価格でサービスを受けることができ、看取りまで対応可能。多くの方が利用するため、入所待ちが長くなることがあるのが特徴です。入居の順番は、早いもの順ということではなく、本人の生活環境を鑑みて緊急性が判断され、数値化することで優先順位が決められます。
提供されるサービス
- 日常生活の介助(食事、入浴、排泄など)
- 生活リハビリテーション
- 医療機関との連携による健康管理
対象者
- 要介護3以上の認定を受けている高齢者
- 自宅での介護が難しい方
費用
特養は介護保険が適用されるため、利用者の所得や要介護度によって費用は異なりますが、10万円~15万円程度が一般的です。所得が低い方には減免制度もあります。
メリット
- 24時間の介護体制が整っているため、安心して長期間利用できる
- 費用が比較的安価
デメリット
- 施設の空きが少なく、入所待ちが長くなることが多い
どのくらい待っている人がいるのかな?
厚生労働省のデータでは、2017年時点で
希望者の約半数が待機しているよ
2. 介護老人保健施設(老健)
特徴
介護老人保健施設(老健)は、医療とリハビリを重視し、短期的に利用する施設です。自宅復帰を目指すリハビリ施設として利用されます。
提供されるサービス
- 医療的ケア(看護師が常駐)
- リハビリテーション(理学療法士や作業療法士が常駐)
- 日常生活支援
対象者
- 入院後の自宅復帰を目指す高齢者
- 介護と医療が必要な要介護者
費用
介護保険が適用されるため、利用者負担は8万円~15万円程度が一般的です。
メリット
- 医療とリハビリが充実しており、自宅復帰を支援する
- 短期的な入所が可能で、介護者の一時的な負担軽減にも役立つ
デメリット
- 長期間の入所はできず、一定期間後には退所が必要
3. 有料老人ホーム
特徴
有料老人ホームは民間運営の介護施設で、多様なサービス内容を提供します。「介護付き」、「住宅型」の2タイプがあり、利用者のニーズに応じて選べるのが特徴です。
提供されるサービス
- 介護付き有料老人ホーム:24時間の介護サービス
- 住宅型:必要なときにのみ介護サービスを利用可能
対象者
- 自立した生活が可能な高齢者(健康型)
- 介護が必要な高齢者(介護付き)
費用
有料老人ホームの費用は施設やサービス内容によって大きく異なりますが、月額15~30万円以上、さらに入居時に初期費用が数百万円かかる場合もあります。
入居時に一時金をまとめて支払うことで月々の費用を抑えたり、一時金がない代わりに月々が少し高めなど施設によって数種類のプランが用意されていることが多い。
メリット
- 多様なサービスが選べ、自分のニーズに合った生活が送れる
- 医療ケアやリハビリ、レクリエーションなどが充実している
デメリット
- 費用が高額になりやすく、資金計画が重要
- 入居費用は比較的高額になるものの、シニアマンションなどと異なり居室を購入するわけではなく、あくまで利用できる権利を得ているため相続等は不可
施設によって費用に差があるけど、
本当にこの金額で生活できるのかな?
居住費以外に食費や介護保険などのサービスにかかる費用もあるので注意が必要だよ!
説明を聞く時は毎月の費用が総額でいくらになるのか、よく確認した方が良いね
4. グループホーム
特徴
グループホームは、認知症高齢者を対象にした少人数制の共同生活施設です。家庭的な雰囲気の中で、認知症ケアに特化したサポートが提供されます。
近年では医療機関との連携で看取りまで対応しているホームも増えてきています。
提供されるサービス
- 日常生活の支援(食事、入浴、排泄など)
- 認知症のケア
- 共同生活を通じたリハビリテーション
対象者
- 要支援2以上で、認知症と診断された高齢者
費用
介護保険が適用されるため、費用は8.5万円~14万円程度で、施設によって異なります。
メリット
- 家庭的な環境で、認知症ケアに特化している
- 少人数のため、個別ケアが行いやすい
デメリット
- 定員が少なく、空きが出るまで待機する場合がある
グループホームは比較的小規模なホームなんですね。
他にどんなところがいいの?
グループホームは「地域密着型」というサービスで、施設のある市町村に住民票があることが条件だよ
認知症の方には住み慣れた地域で暮らすことが安心につながるね
施設選びの際の重要ポイント
介護施設を選ぶ際は、単に費用や場所だけでなく、いくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。以下に、施設選びで特に注目すべき点を紹介します。
1. 利用者のニーズを把握する
どのようなケアが必要なのか、利用者の健康状態や生活スタイルをしっかりと把握しましょう。認知症ケアが必要なのか、医療的ケアが重要なのか、自立した生活を希望しているのかによって、最適な施設は異なります。
2. 費用面の確認
介護施設の費用は施設の種類によって大きく異なります。公的施設であれば比較的安価ですが、民間の有料老人ホームでは高額になる場合があります。予算に合わせた施設選びが重要です。
3. サービス内容と環境の確認
見学や施設のホームページを通じて、提供されるサービスやスタッフの対応、設備の充実度を確認しましょう。実際に見学をすることで、施設の雰囲気や入居者の様子がわかります。
4. 待機期間を考慮する
特養やグループホームは入所待ちが長い場合があります。希望する施設がすぐに利用できるか、またその間の介護はどうするかを計画しておくことが大切です。
施設利用の流れ
介護施設に入所する際の手順は、以下のステップで進めることが一般的です。
- 相談・情報収集
市区町村の介護相談窓口や地域包括支援センターに相談して、どの施設が最適かアドバイスを受けます。 - 見学と面談
複数の施設を見学し、実際の生活環境やスタッフの対応を確認します。施設の説明会や面談も受けることが多いです。 - 申込みと書類の準備
希望する施設に申し込みを行い、入所に必要な書類(介護認定書類など)を準備します。 - 入所契約
入所が決定したら、施設との契約を行い、入所に向けた準備を進めます。
まとめ
日本には特養、老健、有料老人ホーム、グループホームなど、多くの介護施設があり、それぞれが異なるニーズに応じたサービスを提供しています。施設選びは、利用者の健康状態や家族の希望、費用などを考慮して慎重に行うことが重要です。また、見学や相談を通じて実際の施設の雰囲気を確かめることも大切です。
施設の種類以外に何かポイントはあるかな?
多くの場合は必要に迫られて施設選びをはじめる人が多いんだ。
でも、本当は元気なうちに将来どんな暮らしがしたいのかを家族でよく話し合っておくことが大事だよ
介護施設は、選択肢が多いだけに迷うこともあるかもしれませんが、この記事を参考にしてください。